オバマアメリカ大統領が娘たちに贈った手紙

バラク・オバマがアメリカ大統領就任前に、二人の娘たちに一人の父親として贈った手紙の全文です。
愛に満ちあふれた「夢を持って生きて欲しい」そんなメッセージが込められた素敵な内容です。

ここで紹介するのは、2009年1月27日の西日本新聞に掲載された記事の翻訳です。

親愛なるマリアとサーシャへ

君たちは、選挙戦が続いたこの2年間をとても楽しんだことだろう。

ピクニックやパレードに行ったり、州の農産物品評会で普段だったら決してお父さんやお母さんが許さないような、ありとあらゆるスナック菓子を思う存分食べたり…
だけど、君たちやお母さんが常に楽しかったわけではないだろう。
君たちが新しくわが家にやってきた子犬に喜んだとしても、お父さんは君たちと一緒にいられなかった時間を埋め合わせることは決してできない。

この2年間、どれほど君たちをいとおしく思ったことか、だから、今日は、どうしてお父さんが家族そろってこの旅に出ることにしたのか、少し書いてみようと思う。

まだ、若かったころ、お父さんは人生を自分中心に考えていました。
どうやって出世し、欲しいものを手に入れるか、そんなことばかりを考えていました。
そんな時に君たちが生まれ、好奇心に満ちた行動やいたずら、笑顔がお父さんの心を満たし、毎日を明るく照らしてくれました。
そうすると、お父さんはそれまでの自分の人生観がばからしく思えてきました。
なぜなら、君たちが君たちの生活を楽しんでいることこそが、お父さんの人生の楽しみだと気付いたからです。
そして、君たちが幸せになり、立派になるようなさまざまな機会を与えて初めて、お父さんの人生は意味を持つのだろうと思いました。
だからこそ、お父さんは大統領選に立候補しました。
君たちやこの国のすべての子供たちに、そういった機会を与えたかったのです。

省略… 全文を表示

自分たちの能力を十分引き出せるよう、この国のすべての子供たちに学校に行ってもらいたい。
いろんなことに挑戦し、自分を鼓舞し、世界について学んでほしい。
貧しくても大学に行く機会をもってもらいたい。
そして、ちゃんと給料が得られ、医療などの福祉も充実し、自分の子供たちと過ごす時間もあり、尊厳をもって引退できるようにな仕事に就いてもらいたい。
私たちの生活を快適にし、地球の環境を守るような技術、発明をしてほしい。
人種や国、宗教といった違いを超えて互いの長所を見つけ合ってほしいとも思いました。
この国を守るため、若者を戦争に派遣しなければならないこともあるかもしれない。

そうなった場合でも、平和的に解決できるよう最大限に努力したい。
ただ、この国の一員であるという素晴らしい特権には責任が伴うことも、この国の子供たちに理解してもらいたい。
アメリカは完ぺきだから素晴らしい国なのではなく、常に素晴らしくなれるから素晴らしい国なのです。
素晴らしい国にすることは私たちの義務であり、この仕事を子供たちに引き継いでいかなければならない。

君たちには、これまで得てきた機会を他の人にも与えれるような人間になってもらいたい。
自分たちの夢に限界を知ることなく、またどんなことでも自分たちに達成できないことはない世界で育ってもらいたい。
そういった中で、思いやりを持ち、献身的な女性になって世界を築いてほしい。
さらには、すべての子供たちにも君たちが得てきた同じようなことを、学び、夢を持ち、成長していく機会を持ってもらいたい。
だからこそ、お父さんは家族でこの素晴らしい旅に出ようと思ったのです。

君たちを本当に誇りに思う。心の底から愛している。

ホワイトハウスで暮らすのを前に君たちが根気、落ち着き、気品、ユーモアを忘れていないのが何よりもうれしいのです。

愛する父より

西日本新聞 (2009年1月27日)

大統領だし… 頭いいし… だからこういうことができるんだ! なんて、言い訳できないですね。
なぜなら親という点では、僕たちと何ら変わりがないのですから。

この手紙と同じ感情を持ち得ている親御さんはたくさんいると思います。
ただ、本当に難しいのは、その感情を文字に置き換えるという作業と、子どもとそんな話ができる関係を気づき上げるコトでしょう。

本当に、娘たちへの深い愛を感じるすばらしい手紙ですね。

日本にもすばらしい父親がいますよ!こちら » 最強の父親

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