スティーブ・ジョブズ「つまらないものは捨てろ」

Forbes.com の Steve Jobs: Get Rid of the Crappy Stuff という記事が、日本経済新聞で翻訳されていました。
日本語訳のタイトルは “ジョブズ氏が言う「つまらないものは捨てろ」の意味” 。

記事は、簡潔な言葉で Apple のすばらしさを表現する所からはじまる。

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米アップルはこのほど米グーグルを抜き、世界で最も価値の高いブランドとなった。世界最高のブランドの製品群を全部並べても、小さなテーブルの上に収まってしまうというのは驚きである。もちろん、アップルがこれほど成功している理由の1つはそこにあるー
少数の、シンプルで優雅な製品を生み出すことに徹底的にこだわるのだ。

一番印象に残ったエピソード!

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ナイキのマーク・パーカー最高経営責任者 (CEO) である、パーカー氏はCEO就任直後にジョブズ氏と電話で話したという。

何かアドバイスはありますか?

と尋ねたパーカー氏に、ジョブズ氏は

1つだけある。
ナイキには世界最高の製品がいくつかある。だれもが絶対欲しいと思うような製品だ。
その一方で、つまらない製品もたくさん作っている。
つまらないモノは捨てて、優れた製品に集中するんだ。

そこでジョブズ氏はひと呼吸おき、パーカー氏は静かに笑った。
だがジョブズ氏は笑わなかった。真剣そのものだった。

パーカー氏は対談後「彼は完全に正しかった」「ナイキには “編集” が必要だった」と振り返ったそうです。

ジョブズ氏の言葉は、常にシンプルで、そして相手に強い印象を残します。
それは、自分の言葉に責任を持ち、相手に真剣に言葉をぶつけるからなのでしょう。
今の日本に、欠落している力です。

記事を書いたカーマイン・ガロ氏は、こう述べています。

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ここでパーカー氏の言う“編集”とは、製品デザインに関するものではなく、事業の意思決定に関わるものだ。それは優れた製品デザインや効果的なコミュニケーションにもつながる。ジョブズ氏によると「“集中する”というのは、集中すべきものに “Yes” と言うことだと誰もが思っている。だが本当はまったく違う。それは、それ以外のたくさんの優れたアイデアに “No” と言うことだ。選択は慎重にしなければならない。私は、自分がやってきたことと同じぐらい、やらなかったことに誇りを持っている。イノベーションというのは、1000の可能性に “No” ということだ」

そして、最後に

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顧客は単純さを求めており、それにはユーザー・エクスペリエンス (使用体験) を損なうようなものを排除しなければならないー
対象が製品デザインであろうと、ウェブサイトの構成、マーケティングや宣伝資料、プレゼンテーション用のスライドであろうと同じだ。“Yes” より “No” と言う回数を増やす。そして、つまらないものは捨てるのだ。

by Carmine Gallo

優れたアイデアに対して、なぜ “No” なのかと発言することも難しく、
優れたアイデアをたくさん生み出すこともまた難しい。
実行するには難しいかもしれませんが、この方法を “知っている” か “知らない” かでも大きな違いです。

この記事を肯定しながら読むことができるかが、大きな分かれ道ですね!

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