Apple のデザインプロセス

他の企業がトライしても失敗することが多いデザインコンセプト作り。「Apple はなぜすばらしいデザインに到達できるか?」を Apple のシニアエンジニアリングマネジャーである Michael Lopp 氏が SXSW で語った Apple のデザインプロセス。

ユーザーの満足度が高い Apple の製品作りの裏側にはこんなデザインプロセスがあったんです。

Apple のデザインプロセス

Apple のデザインプロセス

  1. 完璧なモックアップを作る (Pixel Perfect Mockups)
    膨大な量の手間と時間はかかるが「完璧なモックアップ」を作ることで、曖昧なところがなくなり、あとで誤りを修正する必要がなくなる。
  2. 10から3へ 3から1へ (10 to 3 to 1)
    アップルのデザイナーは、どの製品についてもまったく違う10のモックアップを作る。「3つがよく見えるようにあと7つ」作るのではない、そんなことはみんながやってる。そうではなくて、制限をまったく設けずに心いくまでデザインしたモノを10作る。
    それから何ヶ月もかけて、3つの候補に絞り込む。
    そして最後に3つの中から、コレはと思う最終案を決定するのだ。
  3. 平行するデザイン会議 (Paired Design Meetings)
    毎週デザインチームは2つのデザイン会議をこなす。そのひとつはブレインストーミングだ。制約などを無視して自由に考える。Lopp 氏の言葉を借りると「クレージーになる」場。
    もうひとつは、さきほどの会議と正反対ともいえるプロダクション会議。ここでは、クレイジーなアイデアをどうすれば実現できるかを、デザイナーとエンジニアが一緒になってとことん見極める。
    このやり方は、すべてのアプリケーション開発に適用される。

やりかたはわかった!すぐさま取り入れよう!ってわけにはいかないですね。Apple ならではというか、このプロセスができるまでに数多くの失敗を重ねてきたからこそ実行できる (プロセス) です。

クレイジーな発言なんてしたら、ほとんどの企業で「もっと勉強しろ」って怒られたり、笑われたりてしまいまよね。頭に思いつくモノを全て表に吐き出すブレインストーミングを会議だと言い切ることで、そのクレイジーな発言を出しやすくしているところがまたさすがです。全ての人が思いつくまま意見を交わしその時間を共有することって案外難しいと思います。恥じらいもありますしね。だからこそ、僕はいままでブレインストーミングって個人的にやるモノだとしか思っていませんでした。

面白い製品をユーザーに提供し続ける謎な企業 Apple!まだまだ奥が深いです。

モックアップとは?
実物そっくりに作った模型。もっとも身近なのは、携帯電話の販売店に置いてある見本がソレです。

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